葛飾区S様邸 リクシルTルーフ屋根葺き替え工事
葛飾区にお住まいのS様から「屋根の見た目が悪くなってきたので直したい」とのご相談をいただきました。
コロニアル屋根の表面は、塗装が劣化して塗膜が剥がれ、所々に茶色い苔が生えていました。苔が生えているということは、水をはじくための塗膜が利かず、水が中に浸透しやすくなっているということです。塗装がきちんと利いていれば表面はツルツルなので苔は生えません。
コロニアル屋根は7~8年に一度塗り直しのメンテナンスを行うのが理想ですが、S様はこちらのお宅を中古でご購入されたとのことで、推定20年ほどなるコロニアル屋根はだいぶ劣化が進んでおり、このまま放置すると雨水が中に染み込んで雨漏りする可能性があったので、新しく葺きなおすことになりました。
こちらの屋根の裏側にはお部屋があるそうで「夏になると屋根裏部屋がとても暑くなって困るんです。何かいい方法はないですか?」ともご相談いただきましたので、断熱性に優れた「カバー工法」をおすすめしました。
カバー工法とは、今ある屋根の上から新しい屋根を葺きなおす方法です。全て壊して一から作り直す方法もありますが、この屋根に使用されているコロニアルが製造された時期は、たいてい石綿が入っており、壊すとアスベストが出ます。工事を行う職人はもちろん、近隣住民の安全性を考えると、解体しないでこの上に軽い屋根をつくる方が良いと判断したからです。
またコストの面でもメリットがあります。解体して作り直すより工事費も抑えられますし、解体して出るアスベストごみは高額の処理費用がかかりますが、それもご負担いただかなくて済みます。
下地が腐っているなど既存屋根が大きく傷んでいる場合はカバー工法をお勧めしませんが、こちらのお宅の屋根は下地がしっかりしていたので大丈夫です。
カバー工法にすると既存の屋根と新しい屋根の間に隙間ができるので、二重窓のように空気層で屋根を覆う形になり断熱性能がアップします。さらに屋根表面に断熱材も入れて、屋根裏部屋が暑くならないようにしたいと思います。
工事が始まりました。こちらは足場を組んで準備をしている様子です。
こちらはトップライト(天窓)廻りの雨仕舞いを行っている様子です。トップライト(天窓)廻りは雨漏りしやすい場所なので、新しい屋根材で覆う前に、しっかりと板金処理を施して水の通り道を作り、雨水が浸入しないようにします。
既存のコロニアル屋根の上に垂木(たるき)を準備したら、間にスタイロフォームという断熱材を敷き込みます。
スタイロフォームは、軽くて水に強く丈夫で、優れた断熱性能があり、一般住宅をはじめ建物の断熱材として多く利用されている断熱材です。カバー工法だけでも十分断熱効果はありますが、スタイロフォーム断熱材を間に挟むことによってさらに断熱効果がアップします。
断熱材を敷き込んだら、上から屋根材の下地となる防水野地板(ラーチ合板12mm)を張っていきます。
既存の屋根が断熱材と防水野地板で覆われていきます。
雨仕舞いされたトップライト(天窓)廻りも野地板できれいに覆われました。
エアコンの室外機が置いてあるくぼんだ場所にも断熱材と野地板を張ります。通常の真っ直ぐな屋根と比べ、このように凹凸や障害物のある特別な形状の屋根は処理が複雑になるので、雨仕舞いなどの板金処理は熟練した技術が無いと難しいです。
野地板を張り終えたら、屋根の防水シート、ルーフィング(アスファルトルーフィング23kg)を敷き込みます。
屋根の軒の先端部分に水切れを良くするための金具「軒先水切り」を取り付けています。軒先の破風の上に取り付けて、雨水が建物内部に侵入するのを防ぎます。
ルーフィングの上に屋根本体となる「Tルーフ」を葺きます。
Tルーフはガルバリウム鋼板に天然石をふきつけたLIXILの屋根材で、見た目がオシャレで重厚感がありながら、基材がガルバリウム鋼板なので軽いというのが良い点です。また表面にコーティングされているのは色落ちしない天然石なので、きれいな状態が長く続き長期間塗り替えの必要がありません。保温性もあり、雨音も静か、という利点もあります。
「納入日から10年間、著しい変色や褪色および著しい天然石粒の剥落がない事を保証し、納入日から30年間、屋根材の基材に腐食による穴あき、亀裂が発生しない事を保証します。(条件付、材料の品質保証)」というLIXILのメーカー保障があり安心です。
Tルーフはアメリカやカナダで流行っている屋根材で、価格は普通のガルバリウム鋼板等の屋根より高価ですが、重厚感ある雰囲気とオシャレな見た目が長持ちするので人気です。
屋根の横端部分、雨樋がついていない側を「ケラバ」と言いますが、このケラバ部分に水切り(屋根から伝う雨水の通り道)を取り付けます。
こちらは屋根の窪んだ場所の雨仕舞いの様子です。普通の真っ直ぐに連続した屋根と異なり、ここだけ個別の屋根スペースになるので、雨仕舞いも個別に行う必要があります。
屋根と壁との立ち上がりの部分に雨が入り込まないよう、「捨谷」という水切り(板金で作る水の通り道)を作ります。捨谷は、最終的には屋根材で覆われて見えなくなる個所ですが、この板金処理をきちんと行わず、コーキング処理だけで手抜きをすると、雨漏りの原因になります。
さらにこの個別の屋根スペースと上の屋根のケラバ(屋根の横端部分に取り付ける板金製の水の通り道)とが交わる個所の、段違いを収める板金処理も行います。
これは熟練職人の知識と技術が必要で難しい作業です。経験豊富な職人が頭の中にある様々な過去の事例をベースに、最善の方法を考えて作業を行います。マルゼン工業には腕のいい屋根板金職人がいますので、安心してお任せいただけます。こうして、ケラバを覆うケラバカバーと雨押え(見えなくなりましたが下に捨谷があります)がきれいに収まりました。
落雪事故防止目的のための雪止め金具を取り付けました。この雪止め金具が無いと屋根に積もった雪は大きな塊となってどさっと落ちてきます。雨樋や車を壊す場合もありますし、下に人がいれば大怪我に繋がり危険なので、関東地域で雪が積もるのはまれですが、雪止め金具は安全のために取り付けておいたほうが良いです。
こちらはパラペット天端笠木(ガルバリウム鋼板)を取り付けている様子です。
このように屋根の修理は”木”を扱う大工仕事と、ガルバリウム鋼板などを取り扱う板金仕事が伴います。板金を施工するには下地に木はつきものだからです。
屋根修理業者には板金職人しかいない会社が多く、その場合大工を外から呼び寄せて木工事を頼みます。作業が終わるまで板金の取り付けができないので、待っている時間ももったないないし、外注する分費用も重みます。
その点マルゼン工業には、大工も板金もどちらもできる職人が自社にいるので、早くお安く工事をすることができ、お客様に喜ばれています。
こちらは棟板金を取り付けたところです。
棟収めをしている様子です。黒い部分は「換気棟(かんきむね)」です。
この隙間から空気が出入りし、屋根の中の空気が自然に循環するので、夏はかなり涼しくなります。エコですね。
トップライト(天窓)廻りもきれいに収まっています。サッシ下部分、取合いの雨仕舞いは難しく苦労するポイントです。ここをきちんと収めていないと雨漏りの原因になります。
苔が生えて見た目が悪くなっていたコロニアルの屋根が、オシャレなTルーフの屋根に生まれ変わりました。Tルーフは腐食による穴あきや亀裂が生じないことが30年間保証されているので、長く安心してお使い頂けます。
まっすぐな形の屋根はあまり上手でない業者さんでも施工可能ですが、もしお客さまの屋根に段違いや凹凸がある場合は、腕のよい職人がいるマルゼン工業にご相談ください。経験豊富な熟練職人がしっかり対応させていただきます。
カバー工法とスタイロフォームで断熱効果がアップし、さらに換気棟(かんきむね)で換気もとれているので、お悩みだった屋根裏部屋の温度も随分緩和されたようで、S様は「夏は部屋に入れないほど暑かった屋根裏部屋が、前ほど暑くなくなったよ。ありがとう。」と大変喜んでくださいました。
雨漏り修理、屋根修理、Tルーフの屋根葺き替えは、地域密着で親子3代70年のマルゼン工業にご相談ください。LIXILリフォームネット登録店なので安心です。施工実績1万件以上の豊富な経験を活かし、個々のお宅に合ったベストの修理方法をご提案させていただきます。